2003.12.24
「この人は悪くない!」

ちょっと懐かしい話。

10月頃だったろうか。

友達と深夜にカラオケ店に行った時の話。

俺達は十分にカラオケを満喫し

帰るために部屋を出ようとした瞬間

「ドンッ!」

開けようとしたドアに鈍い音が響いた。

俺 : 「なんだ?」

俺達はドアを閉めたまま、狭い窓から外の様子を伺う。

俺 : 「わーお!」

若い女性が倒れている。

酔っぱらって倒れたのかと思ったが

次の瞬間!

違う女性が飛び乗った。

見るからに水商売系な身なりの女性。

格闘技用語で

倒れている人の上に馬乗りなることを

マウントポジションという。

上の方、超有利。

「ボゴッ!」

強烈なフックを顔面にお見舞い。

「ボゴッ!ボゴッ!」

容赦なく顔を殴る上の女の攻撃で、下の方出血。

俺 : 「あぁ〜。血ー出てるし。ケンカだわ。」

店員 : 「(オロオロ)」

止めに入った店員は困惑していて役にたたない。

俺達の部屋の前で騒いでいるから、出るに出られない。

しばらく観戦。

甲高い声で

「ふざけんなコノヤロー!」

必死に逃げる女と、追う女。

2人が戦場を移したことをいいことに

俺達はやっと部屋を出ることができた。

!?

俺 : 「マジッすか?」

人が倒れてる。

今度は男。

男 : 「あんだコラ!!」

太い男の声が響く。

楽しいカラオケ屋が戦場と化している。

イラクの街とか、自爆テロとかそんなんじゃない。

「仁義無き戦い系」。

背中にかわいいイヌの絵が入ったジャージを着ているお兄さんが

明かにあっちの世界の方と、ちちくりあっている。

こちらも血を流しながら。

叫び声などから、どうやら女がらみでケンカになった模様。

なぜ女同士が殴り合っているのかはわからないが・・・。

1本しかない狭い通路で乱闘騒ぎ。

俺 : 「ヤバくない?」

俺達が取らなくてはいけない行動は

怪我をしている人を助けるのではなく

ましてや、片方に参戦することでもない。

逃げる事。

そう!巻き込まれる前に。

急げ俺!

そして友達!

俺達は小走りで店を出て、店の中の様子を伺っていた。

すると

「ウ〜♪ウ〜♪ウ〜♪」

警察の登場だ!

店員か客の誰かが通報したのだろう。

警察らしき方々はトランクを開け、武装して店の中に侵入。

手には武器。

だが、よく見ると警棒ではない。

「角材」だ!!

ダサい。

ダサいぜポリス。

俺が映画とかで知ってる警察は黒い「警棒」持ってたぜ。

明らかに木目じゃん。

「ツーバイフォー」じゃん。

そして侵入してきた警察に気付いた1人の男が逃げようとした。

その日はあいにくの雨。

玄関を出た所で見事にスリップ。

キレイにコケた。

そこを警察4・5人に取り押さえられ

あえなく自由を奪われた。

男 : 「離せ!コラ!なんで捕まえんだよ!」

警察 : 「逃げるからだ!」

ごもっとも。

すると先程、馬乗りになって殴られていた女(下の方)が

走って来て叫んだ

女性 : 「コノ人、悪クナイヨ!」

女性 : 「悪イノハ、逃ゲタヤクザダヨ!コノ人悪クナイヨ!!」

カタコト!?

俺 : 「日本人じゃない!」

帰りの車中、

俺 : 「いいもん見れたね。滅多にみれるもんじゃないね。」

友達 : 「カラオケよりもこっちの方が面白かったね」

次の日の新聞に

「カラオケ店で傷害事件。男2人逮捕」

の記事。