2004.03.22
「ヘイ!お待ち!」

家族で寿司を食いに行った。

無論、回転寿司。

その日は、いつもあまり行かない店に行ったが

俺はその店が嫌いだ。

寿司を食べるだけなのに

いつも嫌な思いをするからだ。

前回、食べに行った時は、入店した時間が遅かったため

食べ終わるのが、閉店時間ギリギリだった。

そして俺が会計しているとき

次々と、店内の電気が消されていった。

まだ店の中にいるのに。

こんな、嫌な思い出。

今回、なぜそこに行くことになったかというと、母親が

母 : 「海老の天ぷらが乗ってるお寿司が食べたい」

と、駄々をこねたから。

俺は他にその”創作寿司”をやっている寿司屋を知らず、しょうがなくその寿司屋に行った。

あまり良いイメージを持っていない店だったので、正直あまり乗り気では無かった。

寿司屋に入ると、透明のプラスチックのケースで被われている寿司がグルグルと回っている。

俺 : (あれいつから回ってるんだ??)

カップによって空気から遮断された寿司ネタは、「乾く」ということを知らず

いつまでも水々しく回り続けている。

5分前に握られたモノと、5時間前に握られたモノとの区別がまったく付かない。

俺 : (あーやっぱり来るんじゃなかった)

たとえ安い回転寿司でも、やはり新鮮で美味い寿司が食べたい。

そう純粋に思った俺は、目の前を通り過ぎていった大好きな”サーモン”を無視して

握り手に注文をした。

俺 : 「すいません!サーモンひとつ」

握り手 : 「あいよ!サーモンひとつ!」

そう言って握り手のオヤジは、俺の目の前を通り過ぎていった”サーモン”を取り

握り手 : 「ヘイ!お待ち!」

っと言って、俺に渡した。

そして握り手のオヤジは何事も無かったかのように、客のおばさんと雑談を始めた。

俺 : (握れやー!)

俺は嫌悪を表情に出したがオヤジはそれに気付かない。

あげくの果てには

握り手 : 「さー!回ってないネタがありましたら、どんどん注文して下さーい!」

この人、もはや仕事放棄だね。

その後、俺は「負るか!」とオヤジに注文した。

だが、オヤジは寿司を握ることなく、回っているのを取って俺に渡した。そしてよく喋ってた。

今度こそ、もう行かない。