2004.07.26
「初ステージ」

居酒屋に飲みに行った。

そこには小さなステージがあり、歌い手さんがフォークギターを片手に

井上揚水、吉田拓郎、玉置浩二など、懐かしい方々の曲を披露していた。

歌い手 : 「会話のバックミュージックとして楽しんで下さい♪」

夜も更け、歌い手もいなくなった。

すると、誰かが「なんか弾ける人いないの?」と言った。

一緒に飲んでた仲間が俺を指さした。

俺は断った。

・・・・・

はずだった。

酔っていなければ。

あいにく飲んでました。

調子に乗ってました。

ほとんど抵抗なくステージに上がってしまった俺は、置いてあったアコースティックギターを手に取り

適当に「ジャン!」と一度鳴らしてみた。

お客さん : 「おぉ!」

俺は、「ハッ!」とした。

俺 : (ステージ上がっちゃってるよオイ!何してんだ俺は!?)

後悔しても遅かった。恐る恐るお客さんの目を見た。

俺 : (みんな見てるよオイ!どうすんだ俺!?)

震える指、明らかに定まっていない視点。

俺は諦めて弾いた。

何度か練習したことのある曲を弾いた。

だが緊張と酔いがまわっていたせいもあり、メチャクチャになってしまった。

なんとか止まることなく、強引に曲を終わらせた。

俺 : 「オリジナルです!」

と嘘をついた。

みんなが拍手をしてくれた。

気付かれなかったらしい。

「もっと練習しなきゃ。」と思った。



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