2005.02.26
「メイド喫茶 - 東京」

俺の知らない文化があった。


「『メイド喫茶』って知ってる?」

「面白いからメイド喫茶行ってきな♪」

「メイドの格好をした女の子が接客するらしいよ」

「『メイド』だから店に入ったら、『いらっしゃいませ』じゃなくて、『お帰りなさいませ』って言うらしいよ」

「せっかく東京行くなら・・・ets...」


俺的には、「メイド = 市原悦子」だったのだが

市原悦子は家政婦だということに旅中で気付く。

ここで言う『メイド』は、もっと若くて少しエッチなニュアンスを持ち合わせた言葉らしい。

ってことで、最終日「メイド喫茶」を探しに全員で、オタクの聖地「秋葉原」へ向かった。

しばらく探し歩いていたが、とうとう旅の疲れがピークに。

「限界だ。」

ふと、フットマッサージ屋を発見。

散々迷ったあげく俺を含む3人は、フットマッサージ屋へ一時避難。

メイド喫茶探しからの戦線離脱。

だが、どうしようもない。

足が棒になっている。

これから探し続ける仲間に手を振り、

俺達はマッサージ屋のあるビルに入った。

俺達が見つけた看板が示す店は、怪しげな小さなビルの3階にひっそりとあった。

俺達がエレベーターから下り、店に入ると女性の声。

『おかえりなさいませ♪』

俺達 : 「ッ!?」

更に他の女性の声。

『おかえりなさいませ♪』

俺達 : 「あ・・・え・・・あの・・・」

俺達の目に映る女性は全員、『メイド』の格好をしていた。

ここは、「メイド喫茶」ならぬ「メイド・マッサージ」屋だったらしい。

俺達は、最大限にぎこちなく店に入った。

友達 : 「お・・お邪魔します。」

俺 : 「お邪魔します。」

ただ、なんのことない。

マッサージをしてくれる人がメイドの格好をしているだけだった。

なのに、なんだこの感じは?

何かいけないことを覚えてしまった感覚に捕らわれていた。

そう。初めて川でエロ本を発見したときのような・・・。

もちろんマッサージをするだけなのだが、終わったときにはなんか得をした気分だった。

お金を払い終わり、メイドの人が俺達に言った。

メイド : 「いってらっしゃいませ♪」

俺達は元気に答えた。

俺達 : 「行って来ます!」

俺達は驚くほど軽くなった足で、昼飯を求めて再び街に出た。



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